2019年11月22日 セラミックス専門家 江尻
電気特性は大きく2つに分けることが出来ます。絶縁性と導電性です。では、セラミックの電気特性がどちらに該当するのかご存じでしょうか。
本記事ではセラミックの電気特性について簡単に解説し、それぞれ特徴が異なる素材を3種類紹介します。セラミックの基本的な電気特性について知りたい方にはとっておきの情報です。
セラミックは現在のスマートフォンにも使われている素材です。そんなセラミックにはさまざま性質があります。中でもこの記事では、セラミックの電気特性にどのような特性があるのか、3つの素材を参考に紹介します。
セラミックの電気特性は電気絶縁性が基本です。電気絶縁性とは、電気抵抗が大きいことから、電気を通しにくい性質のことを指します。いわゆる絶縁体ですが、 どのような状況下でも絶縁性をもつわけではありません。
セラミックの中には温度変化や圧力を加えると電気抵抗が小さくなる素材があります。電気抵抗が小さくなった素材は電気を通しやすくなり、導電性をもつようになります。
セラミックの電気特性は基本的に電気絶縁性ですが、これから紹介する3つの素材にはそれぞれ特徴があります。
酸化アルミニウム(Al2O3)、通称アルミナは電気絶縁性の特性をもつ代表的なセラミックの素材です。他のセラミックよりも電気抵抗が大きく耐熱性に優れているので、高温下でも絶縁性を保つことができます。
酸化ジルコニウム(ZrO2)、通称ジルコニアは特殊な素材で、温度変化による体積変化を抑えるためには安定化剤を使用しなければいけません。ただ、部分的に安定化剤を使用したジルコニアに電圧をかけると酸化イオンが出ていき、電気抵抗が小さくなるので電気を通う導電性を発現します。
チタン酸バリウム(BaTiO3)、通称チタバリは絶縁体で、直流の電気は通しません。ただ、チタン酸バリウムは強い誘電性をもつ素材ですので、誘電体として扱われ、コンデンサのように電気を一時的に蓄えられる特性をもちます。
セラミックの電気特性は電気絶縁性が基本です。しかし、中には例外があり、温度変化や圧力が加わることで導電性の性質をもつ素材を使ったセラミックもあります。今後はスマートフォンだけでなく、セラミックの電気特性を活用した製品が増えていくかもしれません。
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